『黒後家蜘蛛の会1』/アイザック・アシモフ
![]() | 黒後家蜘蛛の会 1 アイザック・アシモフ 東京創元社 1976-12 |
《黒後家蜘蛛の会》の会員――化学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家の六人、それに給仕一名は、毎月一回晩餐会を開いて四方山話に花を咲かせていた。が、いったん話がミステリじみてくると会はにわかに活況を呈し、会員各自が素人探偵ぶりを発揮する。だが、毎回毎回真相を言い当てるのは、給仕のヘンリーだった。安楽椅子探偵の歴史に新しい一ページを書き加える連作推理譚。
各話が短く、パターンが統一されているのでさらっと読める。毎回テーマになる《謎》は、必ずしも殺人ではない。作者自身がメンバーに惚れ込んで、あらゆるものをミステリの種にしているだけに、盗難からカンニングまで、その内容は幅広い。謎解きというよりはとんちに近い。個人的には、『会心の笑い』のラストの台詞に唸ってしまった。「〜のようなもの」を一言で表現されると実にすがすがしい。シリーズを読破しようとするといやでも食傷気味になるだろう。よって、長編ミステリに疲れたときの止まり木的作品としてもらいたい。


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