『ローリング邸の殺人』/ロジャー・スカーレット

04 17, 2006
4846006506ローリング邸の殺人
ロジャー・スカーレット
論創社 2005-12
自己評価
  • 第九位『本格ミステリ・ベスト10』(2006)

乱歩もその巧妙な手法に魅せられた、アメリカの本格推理作家スカーレット。数少ない作品中、未訳だった最後の一冊が満を持して登場。とある屋敷にて病死する主。その裏でほくそ笑むのは誰だ? 未亡人、義姉、主治医、執事、そして親友を名乗る男…。それぞれの横顔が疑惑の影に覆われる。複雑に絡み合った怨念の糸を、ボストン警察のケイン警視が巧みに繙いてゆく。
『猫の手』よりもはるかに読みやすかった。館そのものは無関係なのだが「館モノ」に属するのだろう。閉鎖された建物と数少ない容疑者という設定は圧倒的に読者有利。そこに作者の自信が垣間見えるような気がして、期待して読んだ。

ケイン警視が主人公だが、通常の捜査は行っていない。そこがこの話の面白いところでもある。警視同様、読者も期待通りにいかない展開にストレスを感じるかもしれないが、そう思いながら読んでるといきなり山場がくる。この終盤にはいささか面食らった。何かがバタバタと倒れて、最後に残ったものがあまりにも意外だったからだ。可能性は考えてはいたが、まさかこういう技で勝負してくるとは思わなかったので、素直に驚いた。トリックの善し悪しは別として、真犯人の思惑の罠をかいくぐり、その醜悪な意図に到達するプロセスが結構気に入った。
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