『求婚の密室』/笹沢左保

07 04, 2006
4198910456求婚の密室
笹沢 左保
徳間書店 1999-02
自己評価

旧軽井沢の別荘で、資産家・西城豊士教授夫妻が死体となって発見された。場所は自宅敷地内の地下貯蔵庫。鉄扉を内側から南京錠で固定した六畳ほどの室内、夫妻は折り重なるように倒れていた。嘔吐物が散らばり一目で毒死と分かる、完全なる密室。遺書はなく、床には「WS」の文字が。心中か、あるいは殺人か。別荘で一夜を明かしたパーティ招待客は十三人。だが殺害動機も決め手がない…。本格推理の傑作。
これ以上ないくらいに本格ミステリの要素がてんこ盛り。ありふれた謎解きにならなかったのは展開の巧さだと思う。章タイトルを見ればわかるが、どの順番で、何について推理するかがきちっと提示してある。警察が介入しないため、余計にこの推理合戦が面白く感じた。密室トリックには唖然としてしまった。誰しも一度は思いつきそうなトリックなのだが、リスクが高いため実用されなかったのでは…。それを堂々と披露するその度胸に恐れ入った。細かい部分で読者をミスリードしようとする作者の意図もあり、本格ファンには満足のいく一冊だと思う。救われない人物の登場がやたら目立つのはこの作家の特徴か?
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