『溺れる人魚』/島田荘司

08 01, 2006
4562040238溺れる人魚
島田 荘司
原書房 2006-06
自己評価

世界的なスイマーに奇矯な行動が目立ち始め、ロボトミー手術によって廃人のようにされてしまう。年を経て彼女は一人きりとなり、ひっそりとピストルで自殺する。そのほぼ同じ時刻、はるか離れた場所で老医師が殺された。不可解なことに同じ銃から発射された弾丸が見つかった。彼はかつて天才スイマーにロボトミー手術を施した医師だった……。「溺れる人魚」をはじめ、戦争が残した冥い野望をあばく「人魚兵器」「耳の光る児」、そして『異邦の騎士』外伝ともいえる「海と毒薬」を収録。
四篇からなる短編集。表題作のみ書き下ろし。ミステリとしてまともなのは表題作だけで、残りの三篇は作者の妄想じゃないかと、その出所の状態を心配してしまった。表題作にしても、ネタとしては弱いものの、応用次第ではもっといい出来になったろうにと残念に思う。どうして余計なことにこだわるのだろう。本格に対して何かしらの限界を感じてるのだろうか。新しいミステリを模索してる最中なのだろうか。いずれにしても中途半端であることには変わりがない。食材を見極める眼はまだ健在なのでそこまで危惧はしてないが、調理方法が偏りすぎている。なので読者のバランスが徐々に崩れてくる。手遅れになる前に策を講じてほしいものだが……。
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