『天使と悪魔』/ダン・ブラウン 

Posted at 2006/08/09
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40479145684047914576天使と悪魔(上)
天使と悪魔(下)
ダン・ブラウン
角川書店 2003-10-31

ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる。それは十七世紀にガリレオが創設した科学者たちの秘密結社“イルミナティ”の伝説の紋章だった。紋章は男の死体の胸に焼印として押されていたのだという。殺された男は、最近極秘のうちに大量反物質の生成に成功した科学者だった。反物質はすでに殺人者に盗まれ、密かにヴァチカンに持込まれていた―。
上下巻あわせて七百ページ近いが、作中では一日足らずしか経過していないという、タイムリミットサスペンス。その割にスピード感がまるでない。序盤こそは面白かったが、本題に入るまでが長すぎる。やっと本題に入ったかと思ったら今度はワンパターンの展開が続く。ローマとバチカンの旅行ガイドのような描写の間に、いやというほどの蘊蓄が挟まれている。誰がどこで何をしているのか把握しにくいくせに、真犯人だけは予想できてしまう。こういうパターンの読書は辛い。ラストの展開も間延びすぎる。そもそも、科学と宗教というテーマを結びつけて論じるのに無理がある。舞台がバチカンなのである程度の特異性は認めるものの、それぞれの動機がさっぱり理解できない。イルミナティやアンビグラムといったミステリ的なネタが面白かっただけに、不完全燃焼の度合いが大きい。

採点

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