『毒杯の囀り』/ポール・ドハティー

02 05, 2007
4488219020毒杯の囀り
ポール・ドハティー
東京創元社 2006-09-30
評価
  • 第十位『本格ミステリ・ベスト10』(2008)

1377年、ロンドン。富裕な貿易商トーマス・スプリンガル卿が、邸の自室で毒殺された。下手人と目される執事は、屋敷裏で縊死していた。トーマス卿の部屋の外は、人が通れば必ず“歌う”、通称“小夜鳴鳥の廊下”。この廊下を歩いた者は、執事ただひとりなのだが…。難事件に挑むは、酒好きのクランストン検死官とその書記、アセルスタン修道士。中世謎解きシリーズ、堂々の開幕。
さらりと読める海外本格ミステリ。時代設定と事件とのバランスが良いので、古典ミステリを読んでるような懐かしい気分になれる。探偵役コンビが面白い。このふたりが常時前面に出てるので、余計に容疑者たちが地味に思える。このコンビはホームズとワトスンではなく、ふたりともホームズという設定。

探偵役としての本領を発揮するのに時間がかかり、しかも検死官はいつも酩酊してへろへろなのだが、なぜか微笑ましく見え、コンビとして成長していく過程を興味深く読んでいた。トリックには派手さはないが、フェアでキチッとしている優等生的なもの。犯人の絞込みは難しくない。修道士の教区の描写が多すぎたのが気になった。謎解きだけに集中できていれば、もっとスピード感があっただろうにと残念に思う。
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