『ハンプティ・ダンプティは塀の中』/蒼井上鷹

02 23, 2007
4488017282ハンプティ・ダンプティは塀の中
蒼井 上鷹
東京創元社 2006-12-21
評価

鉄扉の閉まる重い音がした。七月某日午後三時ちょい過ぎ。おれが外の自由な世界から締め出された瞬間だった。―――第一留置室の新入りとなったワイは、そこで四人の先客と出会う。案外みんなから親切に扱ってもらっているうち、ワイはハセモトさんが逮捕された事情を聞くことになり―――(『古書収集狂は罠の中』) 第一留置室で繰り広げられるおかしな謎解き合戦。必ず最後に真相に辿り着くのは、誰よりも胡散臭いマサカさん!? 留置場版日常の謎(?)など愉快な五編を収録した連作ミステリ。
舞台設定が面白い。初対面の犯罪者という面子は、それだけでミステリ性がある。

一話ごとにメンバーの人物像がハッキリし、探偵役も留置場に慣れてそれなりに成長していく。安楽椅子探偵の要素も含んでおり、さくさくとテンポよく進むのだが、謎解きに現実性がまるでない。無理矢理とも思えるシチュエーションの事件に、都合よく推理を当てはめた感が強く、途中から読むのがしんどくなってしまった。連作ならば一応の区切りもほしいところだが、中途半端にフェードアウトして終わったのも読後の空虚感のひとつ。
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