『果断―隠蔽捜査2』/今野 敏

07 01, 2007
4103002522果断―隠蔽捜査2
今野 敏
新潮社 2007-04
自己評価
  • 第四位『このミステリーがすごい!』(2008)
  • 第六位『ミステリが読みたい!』(2008)
  • 第九位『週刊文春ミステリーベスト10』(2008)

息子の不祥事で、警察庁から大森署署長に左遷されたキャリアの竜崎伸也。大森署管内で拳銃を持った強盗犯の立て籠り事件が発生、竜崎は現場で指揮を執る。人質に危機が迫る中、混乱する現場で対立する捜査一課特殊班とSAT。事件はSATによる犯人射殺で解決したが……。吉川英治文学新人賞受賞作に続くシリーズ第二弾。
愛知で起きた拳銃立てこもり発砲事件を連想させる作品。作中の事件が比較的早く解決してしまったので、この後どういうネタが残っているのだろうと危惧したが、それは全く無用だった。“ベタな展開”感は否めないけれど、作品のテーマをストレートに捉えた素晴らしい構成だと思う。

タイトルにあるように、主人公の決断が要所でクローズアップされる。決断するということは、同時に責任を負うことも意味する。そこに鋭く切り込んでくる警察官僚たち。警察内部の人間関係に終始するのかと思いきや、事件は意外な展開を見せる。この辺りの流れは読んでて照れ臭さを感じてしまった。曲者キャラの本質が明らかになるシーンなど、スムーズに進むところがかえって不自然なのだが、読んでるこちらはもうどうでもいいよって気になっている。予期できるラストを受け入れる態勢に入っているのだ。

昨今の警察ミステリは本当に元気がいい。ミステリ・ランキングの常連だし、なによりハズレが少ない。私にとって、本格ミステリで溜まったストレスを排出する重要なカテゴリになっている今日この頃。
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黒猫の隠れ処08.01.2007

家族の不祥事で所轄署長に左遷されたキャリア警察官の竜崎が、相変わらず徹底した合理主義者ぶりを見せるシリーズ第2作。警察ものというより、ヒーローものになりつつありますね。果断―隠蔽捜査2今野 敏 新潮社 2007-04売り上

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