『越境捜査』/笹本稜平
![]() | 越境捜査 笹本 稜平 双葉社 2007-08 |
14年前に起きた12億円の巨額詐欺事件を追う鷺沼は、捜査の過程で警視庁を含むさらなる巨大犯罪が詐欺事件の裏に隠されていることに気づく。大藪賞受賞作家が放つ、重厚で心にガッツリ響く本格警察小説登場。
筆致全体から、ぴーんと張りつめた緊張感が伝わってくる。シンプルだが、どこか挑発的なセンテンスに圧倒され、久しぶりに斜め読みせず一字一句読むという意欲的な読書になった。
主人公に課せられた任務はハッキリしているが、味方がいつ敵に寝返るかもしれないという冷淡な空気がそこら中に漂っているため、物語の方向性がまるで掴めない。登場人物も多く、誰がキーマンとなって再登場するのか皆目予想できない。書き手と読み手の腹の探り合いを横目に、物語は底なし沼のごとく、じわじわと深みを増すばかり。
黒幕の姿が薄ぼんやりと見えてきた頃から、なぜか笑ってしまうシーンが多くなる。「ああ、結局はそういう着地になるんだな」と残念に感じるも、作中の人物たちは抜き差しならないトコロまで来てしまったのだから、こういう展開も致し方ないのだろう。読後、どっと疲れてしまったが、この種の疲労感は嫌いではない。

主人公に課せられた任務はハッキリしているが、味方がいつ敵に寝返るかもしれないという冷淡な空気がそこら中に漂っているため、物語の方向性がまるで掴めない。登場人物も多く、誰がキーマンとなって再登場するのか皆目予想できない。書き手と読み手の腹の探り合いを横目に、物語は底なし沼のごとく、じわじわと深みを増すばかり。
黒幕の姿が薄ぼんやりと見えてきた頃から、なぜか笑ってしまうシーンが多くなる。「ああ、結局はそういう着地になるんだな」と残念に感じるも、作中の人物たちは抜き差しならないトコロまで来てしまったのだから、こういう展開も致し方ないのだろう。読後、どっと疲れてしまったが、この種の疲労感は嫌いではない。

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