『傷』/深谷忠記 

Posted at 2007/09/16
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深谷 忠記
徳間書店 2007-07

大学教授の針生田がタイ人留学生に対する強姦未遂容疑で逮捕されたとき、妻の珠季は夫の借りた銀行の貸金庫の中に200万円の不審な振込金受取書を発見する。その後、針生田は不起訴となるが、200万円の振込先になっていた女が焼き殺された。一方、留学生の相談を受けた弁護士の香月佳美は、針生田に対する民事訴訟の準備を進めるも、 待っていたのは予想もしなかった展開だった……。強姦未遂事件と放火殺人事件。2つの事件の接点は?
ひとつの事件から枝分かれしたそれぞれのストーリーが同時進行していく形式。その中で殺人がおこり、さらに混迷していく展開は面白いとは思うが、基本となる事件があまりにも陳腐なので徐々に吸引力が落ちてしまった。予想できるラストは意外な仕掛けもなく、ただ退屈なだけ。使い方次第では大化けしそうなネタを扱っているのに、それが全く活かされていない。作品全体が手狭に思えて非常に残念だった。

評価
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