『グリンドルの悪夢』/パトリック・クェンティン
![]() | グリンドルの悪夢 パトリック・クェンティン 原書房 2008-02 |
「グリンドル樫にコンドルが留まると盆地に死が訪れる」。片田舎の小さな村で少女が失踪した。村人総出で探したが見つからなかった。村では最近、猫や猿、鵞鳥などのペットが次々にいなくなっているという。これが少女の失踪になにか関係はあるのか。やがて少女の父親が水死体で発見された。彼は娘の居所をつかみかけていたようだったのだが…。
小さな村が舞台なのだが、そこの住人のほとんどが事件に絡んでくるため、序盤はかなり混乱した。筆致は冷静で淡々としているので、気がついたら事件が起きており、伏線も手掛かりもすべてスルーしている始末。しかも本作品は探偵役がいまいちハッキリしないというオマケつき。多くのモヤモヤを抱え込んだ中で明らかにされる真相には少し驚いた。本格には似つかわしくない違和感を感じるが、ギリギリ許容範囲だろうか。ラストシーンでなんとなく救われた気がした。


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