『流星の絆』/東野圭吾

05 06, 2008
4062145901流星の絆
東野 圭吾
講談社 2008-03-05
評価

殺された両親の仇討ちを流星のもと誓った功一、泰輔、静奈の兄妹。十四年後、泰輔が事件当日目撃した男に、功一が仕掛ける復讐計画。「兄貴、妹は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」──誤算は、静奈の恋心だった。息もつかせぬ展開、張り巡らされた伏線、驚きの真相、涙が止まらないラスト。著者会心の感動大作。
いつも疑問に思うことだが、とりたてて文章が巧いというわけでもなく、凝った造りになっているわけでもないのに、こうも自然と作中に引きずり込まれるのは何故だろう? この作家の最大の魅力はそこにあると私は思う。簡単にハマるミステリほどなかなか抜けられないのだ。読者に考える隙を与えながらストーリーは進む。この隙がかなりのクセモノで、真相が見え隠れする曖昧な部分に作者の加工が施され、灰色に描写された文章を読者は黒と決めつけて、まんまとミスリードのレールに乗ってしまうのだ。

謎解き部分に関してはほとんどの読者は納得するだろう。問題はラストである。この作者にしては珍しいまとめ方ではないか。タイトルからもわかるように、本作品の核となっているのは、家族の絆や結びつきである。ノスタルジックな雰囲気が根底に流れている物語の着地点としては、こういうのもアリかな、と納得している。「『容疑者Xの献身』以降の東野作品の中では一番の傑作」というレビューを目にしたが、全くもって同感である。
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