『タンゴステップ』/ヘニング・マンケル
![]() ![]() | タンゴステップ 上 タンゴステップ 下 ヘニング・マンケル 東京創元社 2008-05-23 |
ステファン・リンドマン37歳、警察官。舌がんの宣告に動揺する彼が目にしたのは、新米のころ指導を受けた先輩が無惨に殺されたという記事だった。彼の住んでいた土地を訪ねたステファンは独自に捜査を開始する。だが調べを進める彼の前に、新たな死体が…。次々と明らかになる先輩警察官の知られざる顔、意外な過去。病に苦しみ、迫りくる死の恐怖と闘いながら、ステファンは真実を追い求める。
この作家の単発モノを読むのは初めてだったが、やっぱり面白い。陰惨な事件を縦糸に、舞台となる土地と人々を横糸にストーリーを紡いでいく熟練の技に、相変わらずの安心感と満足感。
今回は「死」というテーマが根底に横たわっているため、全体を通して重厚なイメージが強い。過去から逃げている男と現実逃避したい男──この対極にいる者同士がめぐり合った時から、物語はゆっくりと確実に動いていく。前半は、主人公が振り切ろうとしても振り切れない事件との奇妙な繋がりを中心に描かれており、後半は、関係者の心の闇と主人公の複雑な心理がクローズ・アップされている。
ヴァランダー・シリーズは脇役も魅力的だったが、本作品でも各キャラが実にいい味を出している。微妙に「ご都合主義」と感じるシーンはあるものの、ことのほか重い事件の背景の影に、うまく沈んだように思える。ミステリとしての謎解きは肩透かし。エピローグとプロローグもどこか的外れで効果的とは思えないが、全体のバランスの良さと完成度の高さはさすが。

今回は「死」というテーマが根底に横たわっているため、全体を通して重厚なイメージが強い。過去から逃げている男と現実逃避したい男──この対極にいる者同士がめぐり合った時から、物語はゆっくりと確実に動いていく。前半は、主人公が振り切ろうとしても振り切れない事件との奇妙な繋がりを中心に描かれており、後半は、関係者の心の闇と主人公の複雑な心理がクローズ・アップされている。
ヴァランダー・シリーズは脇役も魅力的だったが、本作品でも各キャラが実にいい味を出している。微妙に「ご都合主義」と感じるシーンはあるものの、ことのほか重い事件の背景の影に、うまく沈んだように思える。ミステリとしての謎解きは肩透かし。エピローグとプロローグもどこか的外れで効果的とは思えないが、全体のバランスの良さと完成度の高さはさすが。

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