『戻り川心中』/連城三紀彦

08 11, 2005
4894564106戻り川心中
連城 三紀彦
角川春樹事務所 1998-05
自己評価

「桂川情死」「菖蒲心中」という、二つの心中未遂事件で、二人の女を死に追いやり、自らはその事件を歌に詠みあげて自害した大正の天才歌人・苑田岳葉。しかし心中事件と作品の間には、ある謎が秘められていた──。日本推理作家協会賞受賞の表題作をはじめ、花に託して、美しくも哀しい男女のはかない悲劇を詩情豊かに描き切る「花葬シリーズ」八篇を完全収録した傑作ミステリー群。
短編の芸術品。艶のある文章、巧みな構成、内面をえぐる心理描写、そしてラストのインパクトとカタストロフィ……。読後の余韻は眩暈と痺れを伴って、静かに確実に読者を支配する。恋愛とミステリの融合作品だが、決してミステリを恋愛モノに仕上げたのではない。その逆の結果が本作品なのだから、作者の筆力の凄まじさには驚愕させられる。
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