『リバース』/北國浩二

07 05, 2009
4562042958リバース
北國 浩二
原書房 2009-06
自己評価
  • 第十位『本格ミステリ・ベスト10』(2010)

誰もが振り向くような自慢の恋人をエリート医師に奪われてしまった省吾。あることからこの医師が彼女を殺してしまうと「知った」彼は、全てをなげうって奔走する。そんな省吾の「執着」に、周囲の人間はあきれ、次第に離れていってしまうのだが。やがて、事態は思いも寄らない方向へ転じていく。痛々しいほど真っ直ぐな気持ちだからこそ、つかむことのできた「真実」とは?
「ミステリ」が「青春小説」のキャパを上回っているので、レイアウト崩れがひどい。

青春小説としての軸はしっかりしている。しかしなぜそこに“殺人”が絡んでくるのか、その必然性がよく理解できない。着地から逆算しても殺人である必要はないはず。主人公の破滅ぶりを強調するためのエッセンスならば、いくらなんでも無謀すぎる。

ミステリとしての本作品は、伏線がストレートすぎるので先の展開が読めてしまう。“藪から棒”的に真相が飛び出してくるのだが、消去法でいけば予測可能だし、落ち着いて考えれば実に馬鹿馬鹿しいオチである。

ラストのアレはサプライズなのだろうか。「そうくるか」と思わせる意外性はある。方向性も概ね間違ってはいないだろう。おそらくここで一気に評価が分かれるのでは? 最後のヘアピンカーブでハンドルをきったら、予想以上にGがかかって無駄に疲労した感じ。この手のご都合主義はもううんざりである。
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