『リンカーン弁護士』/マイクル・コナリー

12 01, 2009
40627639234062763931リンカーン弁護士〈上〉
リンカーン弁護士〈下〉
マイクル・コナリー
講談社 2009-06-12
自己評価:傑作
  • 第九位『週刊文春ミステリーベスト10』(2009)
  • 第十位『このミステリーがすごい!』(2010)

高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが…。警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。
私の中では『ユダの窓』と本作品がリーガル・ミステリの双璧。

長めの助走を経て、物語は一気に加速する。中盤にサスペンス色を際立たせた、リーガル・ストーリーの挟み撃ち。この構成は素晴らしく、どうやっても抗うことのできない吸引力となって、読者を確実に支配する。サスペンスフルな展開の中にも、リーガル・ミステリとしてのテリトリーをキープしているので、全体のトーンは統一されている。

保釈保証人や調査員、検事である元妻や囚人など、脇役が次々と事件に絡んでくるストーリーもいい。その辺りに無駄な動きは一切なく、また過剰にキャラを利用して話を歪めるという欲深さもない。

刑事弁護士という主人公の立場は、いろんな局面でクローズ・アップされる。小さな手掛かりから繋がる謎の連鎖は読者を驚愕させ、主人公を苦境に立たせる。法廷シーンだけがリーガル・ミステリではないことを実感させられるだろう。弁護士という職業を逆手にとり、弱点を物語の根幹に据えた作者の手腕には脱帽するしかない。 続編を所望する読者も多いのでは?

マシュー・マコノヒー主演で映画化されるそうだが、彼は若干あくどさに欠ける。『エンゼル・ハート』の頃のミックー・ロークが私のイメージに近いかも。
6 Comments
Cozy01.03.2010 URL [edit] 

おもしろかったです!
アメリカの陪審員制度自体がもう一つの物語を作るんだなぁと思い、裁判員制度に思いをはせました。

マシュー・マコノヒー主演ですか。
ハラー=おっさんというイメージで読んでました。
誰だろ。

がる@管理人01.04.2010 URL [edit] 

お。高評価だったんですね。よかった、よかった。

とあるblogで、ハラー=ロバート・ダウニーJrって書かれてましたが、
それも大いにアリだな、って思います。
ミッキー・ロークよりも知的でいいかも(笑
今年公開される映画で彼はホームズを演じています。観たい!
ちなみにワトスン役はジュード・ロウです(えっ?)

Cozy01.04.2010 URL [edit] 

面白かったですよ。

マシュー・マコノヒーは確かに正義漢というイメージあるので、ハラーとは印象違いますよね。
んー、ロバート・ダウニーJrは正直ホームズって感じはしないです。
共通点は麻薬ですかね?
まー、ジュード・ロウはワトソンには似てもにつかない気がしますが。
でも、『ホームズ』はきっと観ます。

個人的には若いときのトラボルタかなと思います。

がる@管理人01.05.2010 URL [edit] 

ロバート・ダウニーJrが著作権者を怒らせてしまったようですね。
なんでも、背景には同性愛があるとかないとか言ったようで。
でも、この手のコンビにはよくある話ですけどね。
御手洗&石岡くんだって、やおいパロディには事欠きませんよー

Cozy01.06.2010 URL [edit] 

ホームズとワトソンはいくらでもありそうですよね。
でも、ロバート・ダウニーJrとジュード・ロウを想像すると。。。

やおいパロディを早々に了承していたしまそーは偉いと思います。

がる@管理人01.06.2010 URL [edit] 

ロバート・ダウニーJr&ジュード・ロウ=ヤク中&ハゲ(失敬)

石岡くんのイメージってなんとなく風間杜夫なんですよ。
でもイメージした途端、「やおいもアリかも」って思っちゃいました。
杜夫さん、ごめんなさい。

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