『殺す者と殺される者』/ヘレン・マクロイ

01 26, 2010
448816806X殺す者と殺される者
ヘレン・マクロイ
東京創元社 2009-12-20
自己評価:普通

遺産を相続し、不慮の事故から回復したのを契機に、職を辞して亡母の故郷クリアウォーターへと移住したハリー・ディーン。人妻となった想い人と再会し、新生活を始めた彼の身辺で異変が続発する。消えた運転免許証、差出人不明の手紙、謎の徘徊者、そしてついには痛ましい事件が。この町で何が起きているのか? マクロイが持てる技巧を総動員して著した珠玉の逸品。
相変わらず巧い。どことなく不安定な主人公、波乱含みの帰郷、見え隠れする悪意、そしてこれらの不穏な空気が呼び起こす殺人まで、序盤から中盤にかけての展開は文句なし。

ちらちらと透けて見えるオチは、予想に反して変化球で攻めてきた。この落としドコロのタイミングは絶妙で、タイトルの持つもうひとつの意味にも気付きしばし唖然とする。

ここからが評価の分かれるところなんだろうが、私はそれまでのスピードを保ってラストまでいってほしかった。オチに対する解釈は無用である。一気に停滞してしまったし、雰囲気の異なる展開で興醒めしてしまったのが残念。本格も巧いが、こういうホラーっぽいストーリーもハイレベルなんだよなあ。
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