『時の娘』/ジョセフィン・テイ

05 17, 2010
4150727015時の娘
ジョセフィン・テイ
早川書房 1977-06-30
自己評価:普通

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世――彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。
薔薇戦争の部分でまず戸惑った。イギリス人にはお馴染みなのかもしれないが、日本人が理解するのは骨が折れる。同名の王子が登場するたび冒頭の家系図へと戻る作業はかなりのストレスだが、推理の方向性が固まった時点で別の見方が出来ることに気付く。歴史の謎を紐解くということは、これすなわち本格ミステリの推理のプロセスそのものではないか、と。

薔薇戦争云々で見失った場合は、本格ミステリの王道とも言える発想、展開、帰結のプロセスに注目してみよう。むしろそっちに視点を置いて読むのが正解かもしれないなと感じてみたり。歴史そのものが時の権力者の多数決によって作られた狂言ならば、まさにそこはミステリの宝庫。歴史+ミステリ──切っても切れない表裏一体の構図がそこに垣間見える。

オールタイム・ベスト級の傑作とは思えないが、コロンブスの卵的着眼が高く評価されてるのかな。“真実は物語にはなく、会計簿にあり”とは言い得て妙なり。
5 Comments
Harry05.17.2010 URL [edit] 

リチャード3世、、、。気になる存在ですね。
家計図に戻らないと、というのは
疲れそうですね。
3つ星ですか。
読むべきか、読まざるべきか、
悩ましい評価ですね。

Cozy05.17.2010 URL [edit] 

感想はほとんど同じ感じですかね。
背景の薔薇戦争がよく分からない(笑)のと、1951年にしてはミステリとして新鮮な物語なのかもしれないなと思うけど、それほど面白くはないといったところ。

古典といっても今読んでも十分に面白いと思える作品がある中で、ちょっと物足りない感じの古典の作品って、評価に困りますよね。

がる@管理人05.17.2010 URL [edit] 

>Harryさん

イギリスには他にも稀有な逸話を残してる王族がいるだろうに、
なぜリチャード三世?って不思議に思ってます。
「薔薇戦争」を最初から捨てる気ならば家系図にこだわる必要はないですよ。
本編以外の、魅力的なキャラのほのぼのエピソードでも楽しめます。
でも評価は“普通”です(笑

>デレさん

複数の王子に同じ名前を付けるなよーって何度ツッコミ入れたことか(笑
薔薇戦争がイマイチ地味な印象なので、積極的に理解する気になれませんでした。

お手本のような推理のプロセスが印象的でした。
安楽椅子探偵ってそこの部分が不完全だと成り立たないジャンルだと思ってるので、
久々に論理的推理を体感できて楽しかったです。

記事とは無関係ですが、バラックがW杯絶望だということですんごいショックです。
あーあ、つまんね。もうどこが優勝しようがどうでもいいやー

Cozy05.17.2010 URL [edit] 

○○公って言われても、もう何が何だか分からないですよね。

えー、バラック絶望なの。
年齢的にも今回が最後だろうに、ちょっとショックですね。
残念。

スイス代表のユニフォーム買いました!
スイス代表好きじゃないけど。

がる@管理人05.17.2010 URL [edit] 

あ、またチャットみたいになってる(笑

そうそう。○○公とか○○伯とか勘弁してって感じです。
私、途中までエリザベスを娘の方と勘違いしてたし。。

右足首の靭帯損傷らしいです。
チームも絶好調だし、そのテンションのままW杯に行ってくれるものだと期待しまくってただけに残念で仕方ないです(泣

へえ、スイス代表のユニフォームですか。また見とこ。

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Karma05.17.2010

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