『催眠』/ラーシュ・ケプレル

09 29, 2010
41517885144151788522催眠〈上〉
催眠〈下〉
ラーシュ・ケプレル
早川書房 2010-07-30
自己評価:普通

ストックホルム郊外で起きた一家惨殺事件。被害者の夫婦と幼い娘をメッタ刺しにするという手口から、背後に異常な動機を窺わせた。かろうじて一命を取り留めたのは15歳の長男と、独立して家を出た長女だけ。捜査を開始したリンナ警部は、催眠療法で知られるバルク医師に少年から犯人逮捕につながる証言を引き出してくれるよう依頼するが…。全世界で話題騒然、翻訳権の激しい争奪戦が繰り広げられた、匿名作家のデビュー作。
中身はバタバタしてても結果的になんとなくまとまっているのが不思議。

一家惨殺事件かと思いきや途中でころころ様相が変わる。長いエピソードだと思ったらそれがいつの間にかメインに取って代わってたり、結局何の捜査をしてるのか混乱して見失いかけたりと、ツッコミどころ満載。にも関わらず、話そのものは普通に面白いのでさくさく読めてしまう。

作者はミステリ処女作だとか。その恐いもの知らず的な部分が吉と出たのかな。リアリティは破綻しているが、心理描写に玄人っぽい目線を感じてみたりとよくわからない作者である。

「催眠」というタイトルをつけると、こういうストーリーもあり得るのだなという感じ。堅実なバカというかバカ正直というか、ひねりがないのが致命的だが、サスペンスとしては成り立っている。内容は豊富なので退屈することはないだろう。本国ではリンナ警部を主人公としたシリーズを刊行しているそうだが、この空気みたいなキャラが主人公になりうるのか甚だ疑問である。
2 Comments
Cozy10.01.2010 URL [edit] 

タイトルだけでは、絶対に読まない作品かなぁ(笑)

手持ちの翻訳ミステリ新刊がはけていたので、
『愛おしい骨』(キャロル・オコンネル)
『卵をめぐる祖父の戦争』(ディビット・ペニオフ)
『ベルファストの12人の亡霊』(スチュアート・ネヴィル)
を入手しました。

がる@管理人10.01.2010 URL [edit] 

確かにいかにも胡散臭いタイトルですが、
最後まで読むと「ああ、なるほど」と思ったり思わなかったり。

『ベルファストの12人の亡霊』は私も興味あります。
『愛おしい骨』と『フランキー・マシーンの冬』はリクエスト済です。
ディーヴァー新作は来月末ですね。
それまで何冊読めるかなあ。

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