『吉原十二月』/松井今朝子

03 04, 2011
4344019342吉原十二月
松井 今朝子
幻冬舎 2011-01
自己評価:普通

欲望を喰らい、花魁となる。容貌も気性もまるきり違うふたりの妓。妓楼を二分する激しい嫉妬とつば競り合いの先に女の幸せはあるのか…。廓を生き抜くふたりの女の人生を見事に活写した、絢爛たる吉原絵巻。
ふたりの花魁を中心に描く連作短編集。タイトル通り、一月に始まって十二月に終わる。

花魁を始め、馴染みの客や遊郭の人間など、多くの人物が登場するが、あまり記憶に残らない。吉原の風習やしきたりの印象が強く、中で繰り広げられるドラマも、風習を単にドラマ化しただけのようで淡々と過ぎていくだけ。マニュアルを読まされてるようで、「なるほど」と感心はしても、「面白い」と感動するような内容ではない。

殺伐とした現代を考えると、こういう粋な世界は新鮮で興味深い。でも、欲望や駆け引きなしに語れない世界でもあるのだから、個人的にはもっとドロドロした展開を読みたかった。あまりにもきれいにまとめられているのが却って絵空事みたいで、なんとなくモヤモヤした。終盤になってようやく死体が登場したが、これはミステリとは言えないだろう。
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