『真夏の方程式』/東野 圭吾

06 23, 2011
416380580X真夏の方程式
東野 圭吾
文藝春秋 2011-06-06
自己評価:秀作


夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在する。翌朝、もう1人の宿泊客で元刑事の男が変死体で見つかり…。ガリレオシリーズ長編。

  • 第九位『週刊文春ミステリーベスト10』(2011)
少年と科学とミステリが見事に融合して、上質の作品に仕上がっている。湯川の冷たさは鳴りを潜め、加賀恭一郎のような人情味さえ感じさせる。それも含めて、夏休みの海沿いの町というノスタルジックな雰囲気のまとい方がスマートでいい。

唐突に始まった事件は、ゆるゆるとその範囲を拡げていく。草薙や内海といったメンバーを巻き込んでの距離感のある捜査は面白く、範囲を拡げながら、実はピンポイントである人物へと迫っていることに気付く。こういう、“気がついたらこうだった”という展開はこの作者の巧さのひとつだと思う。

事件の真相はオーソドックスだが、地味にさらりと張った伏線が効いてくるのは本格っぽくて好き。無関係とも思えるエピソードも全部取り込んであるのは見方によってはキレイすぎるが、東野作品の場合、作り込んだ感がないので嫌味も違和感も感じない。そういうあっさりした味付けが好みだから次も食してみたくなる。ガリレオ・シリーズはタイトルも秀逸。
2 Comments
藍色05.27.2012 URL [edit] 

ぐいぐい引き込まれる感じ。
湯川と恭平の触れ合いが楽しくって仕方がなかったです。
トラックバックさせていただきました。

がる@管理人05.29.2012 URL [edit] 

湯川と恭平のやり取りは先生と生徒みたいでした。
作中に引き込む手腕はさすがです。

トラックバックありがとうございます。
お返しさせていただきました。

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1 Trackbacks
粋な提案05.27.2012

夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。 仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。 翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。 その男は定年退職した元警視庁の刑...

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