『アリバイ崩し』/鮎川 哲也

12 03, 2011
4334749461アリバイ崩し
鮎川 哲也
光文社 2011-05-12
自己評価:普通

大阪・枚方のアパートで女性が殺害された。恋人が容疑者としてほぼ確定していたが、スクープを狙う新聞記者の私は、事件を追ううちに真犯人と思しき人物に辿りついた。しかし、彼には二重のアリバイが―(「北の女」)。堅物刑事が鉄壁のアリバイに挑む「汚点」ほか凝縮された鮎川ミステリー短編五編。
ノンシリーズの短編集。もっさりしたタイトルが多いのだが、中身は相変わらず容赦ない。

密室同様、アリバイのバリエーションも多くはない。そこを全編違った味付けで勝負してくるのは、逆算プロットの美学か、それとも緻密なトリックのなせる業か。

アリバイを組み立てた犯人と、それを崩していく探偵役ふたつの視点が、地味ながらてきぱきと描かれ、短いページ数の中に極上の本格空間が広がっている。やはり完成度と安定感では群を抜くなあ。時代を感じさせる表現が多少気になるが、それはそれで雰囲気は出ている。

『夜の疑惑』のラストは好き。ちゃんと三段オチになってるのが巧くてニヤリとさせられる。
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