『リヴァイアサン』/スコット・ウエスターフェルド

02 29, 2012
415335001Xリヴァイアサン クジラと蒸気機関
スコット・ウエスターフェルド
早川書房 2011-12-07
自己評価:普通

1914年、欧州ではふたつの勢力が拮抗していた。遺伝子操作された動物を基盤とする、〈ダーウィニスト〉と、蒸気機関やディーゼル駆動の機械文明を発達させた〈クランカー〉。両者の対立は深まり、オーストリア大公夫妻の暗殺につながった。両親を殺した一派に追われる公子アレックと、空への憧れから男装し英国海軍航空隊に志願した少女デリン。ふたりの運命はやがて巨大飛行獣リヴァイアサンで邂逅する。冒険スチームパンク三部作、開幕篇。
【スチームパンク=蒸気機関が広く使われている設定で、ヴィクトリア朝のイギリスや西部開拓時代のアメリカを舞台とすることが多く、そのような中にSFやファンタジーの要素を組み込んでいる】

面白かった。SFに不慣れで、ましてやスチームパンクの定義など全くわかっていないにも関わらず楽しめる作品だった。

躍動感があり、どのシーンも映像がイメージしやすく迫力に満ちている。少年少女の成長ものとしての見どころもあり、幼かった頃のわくわくするような感情を思い出させてくれ、ノスタルジックな感覚を保ったまま、作中のキャラに自分を重ねながら読んでいた。

中高生向けとの先入観があったのだが、遺伝子操作された生物と発達した機械との戦いは、現在のテクノロジーにある種の問題提起をしているようにも思え、そういう視点で見れば大人向けと言えるかもしれない。

メカの描写や動きに関する表現は豊富だが、それに多くのページが費やされているので、どうしてもストーリーが平坦に思えてしまう。人間ドラマの部分も期待したが、後半に少し垣間見えただけで、アクションと平行しての展開は期待外れだった。

でも、次回作が気になる佳作であることは間違いない。作中のイラストには助けられた(笑
4 Comments
Cozy02.29.2012 URL [edit] 

いかんせん、物語も途中なので、作品全体として、どうなのかという評価にも至らないですよね。
個人的には導入としては申し分ないと感じたので、続刊が順調に刊行されて、面白い作品であることを期待します。

『リヴァイアサン』の巻末に新刊案内に告知が出ていたコニー・ウィリスの新刊が、予定通り刊行されますように!

03.01.2012 URL [edit] 

久し振りに読んだSF 挿絵があって昔読んだレンズマンを思い出し興奮して読みました。まぁ~続きものですから今回はこんなんでしょう。
お楽しみはこれからだですよ、二人が出会うまでのシーンも面白く、次どんな展開になるのかたのしみです。年末からのハヤカワ、色々面白いのを出版して、期待してます。

がる@管理人03.02.2012 URL [edit] 

>デレさん

三部作の始まりとしては、わかりやすくて吸引力もあり、いいスタートだと思います。

でも、この終わり方から考えるに、作者は一作目二作目の個々としての完成度より、
三部作まとめての出来で勝負しようとしてるのかなー?とも感じたんですけど。

がる@管理人03.02.2012 URL [edit] 

>仁さん

挿絵も含めて、いろんな意味で昔を思い出させてくれました。

ポケミスはリニューアルしてから評判がいいそうですね。
今後とも魅力ある作品の刊行を期待したいです。

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Karma03.01.2012

「あなたの継承権より重要なものなど、ほかにないでしょう?」 「味方だよ」アレックは延べ棒を窓の外に押し出した。 『リヴァイアサン』(スコット・ウェスターフェルド) pp.373 1914年、ヨー...

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