『玩具店の英雄 座間味くんの推理』/石持 浅海

05 11, 2012
433492820X玩具店の英雄 座間味くんの推理
石持 浅海
光文社 2012-04-18
自己評価:残念

科学警察研究所の職員・津久井操は、事件を未然に防げるかどうかの「分かれ目」について研究をしている。難題を前に行き詰まった操が大先輩でもある大迫警視正にこぼすと、ひとりの民間人を紹介された。「警察官の愚痴を聞かせたら日本一」と紹介された彼は、あの『月の扉』事件で活躍した“座間味くん”だった。
座間味くんの短編集第二弾。パズラー好みの展開で、お手軽に本格テイストを味わえる。

すでに決着している事件について、意外な側面を座間味くんが指摘する安楽椅子探偵スタイルなのだが、小粒ネタを強引に捻っているので、どうしても違和感が残る。作中のテーマである「分かれ目」についての定義もご都合主義っぽく見えてきて、無理矢理感の強い推理同様、徐々に吸引力を失って萎えてしまった。

伏線回収や推理のプロセスは本格の展開に則っているのだが、肝心のオチが映画のそれと酷似していたりと、読み終えてもハッとさせられる感覚がない。女性警察官の座間味くんに対する過剰なリスペクトも鬱陶しかった。

「分かれ目」から事件を切り取るのは珍しい着眼点だとは思うが、なんとなく好きにはなれず。こってり作品後のお口直しにはちょうどいい軽さです。
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