『楽園のカンヴァス』/原田 マハ

05 19, 2012
4103317515楽園のカンヴァス
原田 マハ
新潮社 2012-01-20
自己評価:残念

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

  • 第五位『ミステリが読みたい!』(2013)
  • 第六位『週刊文春ミステリーベスト10』(2012)
  • 第六位『このミステリーがすごい!』(2013)
少女マンガを読んでるような感じ。多分そっちの方が判りやすかったと思う。

ルソー作品の謎に迫る体裁でスタートするが、中身はリスペクト大会である。ルソーとピカソへのリスペクトを再認識し、挙句には好敵手へのリスペクトで、ふわっとしたままキレイに終わらせようとする始末。描きたかったテーマなんだろうな。だからこういう着地になるのは理解できるけど、どこを見ても作品に対して甘いイメージしかなく、引き締まった感がゼロ。

過去と現在が混在する展開や作中作はよく目にするが、本作品ではミステリ的な使われ方はされていない。単にそのまんまの現在と過去。キャラはイメージ通り、言い換えれば厚みがなくて軽薄なだけ。ドラマチックに見えるけど、よくよく思えばご都合主義。散々やりたいことやって結局最後は“愛”ですか。

ミステリファンはもちろん、絵画ファンにもあまりお勧めできないような気がします。
2 Comments
Cozy05.20.2012 URL [edit] 

現在と過去、作中作という構図も効果的に使われていないし、内容も甘いし、評価が高い理由が理解できないですよね。
雰囲気?

がる@管理人05.20.2012 URL [edit] 

絵画をテーマにしたところが良かったんですかね?

でも薀蓄というよりは、作者の想像の世界がほとんどで、
インテリジェンスを刺激されることはなかったですけどね。
「こうだったらステキだな」っていう、正に“夢”てんこもりのお話でした。

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Karma05.20.2012

 アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。  いくらアートが好きだからって、美術館や画集で作品だけを見てい...

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