『護りと裏切り』/アン・ペリー

03 16, 2013
護りと裏切り 上
護りと裏切り 下
アン・ペリー
東京創元社 2013-01-29
自己評価:

友人の兄が甲冑の鉾槍に胸を突かれて死亡した。アレクサンドラは夫殺しを自白したが、真の動機を明かそうとしない。看護婦のへスターは元警官のモンクとともに真相を探り出そうとする。中央裁判所の法廷で明らかになる戦慄すべき事実とは。ヴィクトリア朝ロンドンが舞台の傑作ミステリ。
記憶喪失の私立探偵が主人公のシリーズものだった。過去を思い出そうとするストーリーが並行して描かれ、余計な時間をとられたという感は強い。また全体にゆっくり進むので、ある程度の忍耐は必要かも。だがその価値はある。

動機が判明する前とそれ以降で、ストーリーの雰囲気は異なる。後者にあたる法廷シーンは読み応えあり。通常のリーガル・ミステリの場合、弁護士と検察の攻防を描くことが多いが、本作品では、被告と証人にスポットが当たる。これほどまでに被告の想いを痛感する作品も珍しい。深くて重い法廷シーンはまさに傑作。

ヴィクトリア朝の雰囲気もよく出ているが、全体的に冗長でもある。キャラクターは魅力的だが、いかにもな人物造形がやや浅く見えなくもない。

よくよく考えてみれば、この時代にこの動機はアリなのかな。その後の展開を考慮するに、荒唐無稽な匂いもするのだが、冒険と言えば冒険かな。圧倒的な説得力があるから結局チャラになってるのかしら。
0 Comments
Leave a comment
管理者にだけ表示を許可する
OK?
0 Trackbacks
Top
CATEGORY
TAG CLOUD
COMMENTS
TRACKBACKS
TRACKBACK PEOPLE
LINKS