『天使と罪の街』/マイクル・コナリー

04 26, 2013
天使と罪の街(上)
天使と罪の街(下)
マイクル・コナリー
講談社 2006-08-12
自己評価:

元殺人課刑事ボッシュは、かつての同僚で友人でもあったマッケイレブの死について調べ始めたところ、死亡説が有力だった殺人犯「詩人(ポエット)」の暗躍に行き当たる。猟奇的で知的な犯人は長い沈黙を破り、あらたな挑戦を突きつけてきた。猟奇的殺人犯との息詰まる頭脳戦。
ボッシュはもちろん、テリー・マッケイレブやポエットまで、ファミリー総出演。ボッシュ・シリーズは順序通りに読む必要はないと思うけど、本作品だけは別。作中でがっつり『サ・ポエット』の犯人についてネタばらししてあるので、必ずそちらを先に読みましょう。

私立探偵になっているボッシュだが、中身は警察小説のまんま。探偵というカラーが目立っているとも思えないし、刑事時代と違うのはバッジの有り無しだけという気もする。まあ、前職時代から一匹狼スタイルで捜査をしてきたボッシュなので、それが私立探偵になっても特に違和感は感じないが。

高度に知的な殺人犯──よく目にするキャラだが、このタイプの取扱いって実は難儀だったりするのでは? 無関係に思えた物証を足掛かりに隠れ家を特定。捜査員が踏み込んだ途端にトラップ発動で大爆発。犯人の方が一枚上手だったという皮肉なオチだが、これが行き過ぎると、緊迫の展開を飛び越えてただのSFになっちまう。先の先の先を読むなんてこと、タイムマシンにでも乗ってない限り無理っしょ、とかいう具合に。そういうことをチラチラと思いながら、本作品を楽しんでみた。

クライマックスにアクションをもってくる“お約束”についてはさすがに食傷気味。ここがアメリカと北欧の違いだったりするのかしら。でも今回はいろいろとケリがついていくので、今までの既読シリーズを思い返しながらの終盤になった。あとがきに、「コナリーと肩を並べるプロット巧者はディーヴァー云々…」と書かれてあったけど、彼らをツートップにして読書予定を立ててる私は、常に作中で翻弄されたいんだろーなーと痛感した。ボッシュの私生活がさらに複雑になると共に、己のフェチに気付かされた作品でもありました。
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