『11/22/63』/スティーヴン・キング

10 06, 2013
11/22/63(上)
11/22/63(下)
スティーヴン・キング
文藝春秋 2013-09-13
自己評価:

過去へ旅することのできる「扉」の存在を知った男はケネディ暗殺阻止に挑む。改変を拒む「歴史」が繰り出す執拗な妨害。降りかかる痛ましい悲劇。世界の未来と愛するひとの命のどちらを選べばいいのか? 世界最高のストーリーテラーが新たに放った最高傑作。
  • 第一位『このミステリーがすごい!』(2014)
  • 第一位『週刊文春ミステリーベスト10』(2013)
  • 第七位『ミステリが読みたい!』(2014)
キング初挑戦。二段組×上下巻のボリュームに最初は不安だったが、厚さと熱さに魅了されながら読了。濃厚な読書時間でした。

JFKの暗殺阻止という大義名分を元に展開するタイムトラベルの物語。まず面白いと思ったのが、タイムトンネルのしくみ。二度目に過去へ行く場合、一度目の結果はすべてリセットされている。なので、一度に全部の結果を出さないと意味がないという、きつい縛り。主人公は学習する。そして過去の時間で本当の人生を見つけ出し、Xデーに向けての葛藤が始まる。

上巻はタイムトンネルのしくみとチュートリアル。その後、暗殺阻止に対する“予行演習”から一気にストーリーが深くなるのだが、この辺りの読み応えが抜群で、小説を愉しむ幸せに浸りながら作中空間をひたすら浮遊していた。キングが作り上げた60年代は雰囲気と味わいに満ちており、舞台設定としては申し分ない。

濃厚で凝縮された上巻が素晴らしい分、下巻はやや退屈した。オズワルドの観察部分が冗長かな。Xデーまでの時間稼ぎに肩透かし。単独犯と断定してあるのは設定上やむを得ないことなのかも。キング自身もその考えにブレはないようだが、個人的には複数犯だと思っているので、その微妙な部分で作品との距離を感じてみたりと、下巻の印象は普通。

途中、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』を連想したが、“転”から“結”に至るドラマにキングの凄さを感じた。虚しくて悲しいけど、救いがないわけじゃない。映像としても面白いだろうが、やっぱり文章で感動してほしい。この長旅はいい経験。なにげに日本について色々ご存知だったのが意外でした。
4 Comments
Cozy02.09.2014 URL [edit] 

これから、読み始めます。
いつ終わるかしら。

がる@管理人02.10.2014 URL [edit] 

行ってらっしゃーい。
レビューを楽しみにしてます。

Cozy02.19.2014 URL [edit] 

長かった。
けど、面白かった。

ケネディ暗殺防止というたった一つの大きなテーマが掲げられている中で、1000ページの長い物語を紡ぐストーリーテラーとしての能力の高さを痛感しました。
主人公が傷つきながら、5年間もがんばった割に、あっさりとした結末だったかなと思います。

キングは『スタンド・バイ・ミー』、『キャリー』、『アトランティスのこころ』を読んでいて、『11/22/63』で4作目。
ランキング上位の作品はどれも長いので、気が向いたら読みたいと思います。

がる@管理人02.21.2014 URL [edit] 

お疲れさまでした。

暗殺までの色々なドラマがミソかなー、と思いました。
どうやってその日を迎えるか、そのプロセスに旨みが詰まってるような。
さすがですよね。

一作読んでみてそこそこ自信もついたので、時間があったら読んでみたいです。
やっぱホラーかな。

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Karmaなミステリ読書ブログ02.22.2014

そして、音楽がぼくたちを運び、音楽が歳月を彼方へ押しやり、僕たちは踊る。 『11/22/63(下)』(スティーヴン・キング)pp.515 小さな町の食堂、その倉庫の奥の「穴」。その先にあるのは50年以上も過去の世界、1958年9月19日。このタイムトンネルをつかえば、1963年11月22日に起きた「あの悲劇」を止められるかもしれない…ケネディ暗殺を阻止するためぼくは過去への旅に出...

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