『カルニヴィア2 誘拐』/ジョナサン・ホルト

10 13, 2014
カルニヴィア2 誘拐
ジョナサン・ホルト
早川書房 2014-09-10
自己評価:

イタリア駐留米軍基地の建設現場で発見された人骨が秘める歴史の暗部とは? そして駐留米軍少佐の娘を誘拐し、米軍批判のメッセージを送る犯人は誰か? 壮大なミステリ三部作、波瀾の第二部。
第二部といってもストーリーは独立してるので、前作の予習は必要なし。ただ、登場人物の関係は前作から引き継ぐことになる。

今回も、過去の大戦に端を発した話となっているが、ページの大部分を拷問シーンが占めている。これが結構くどい。全体像から見ると誘拐事件は重要だけれども、拷問シーンにあれだけのページを割くのってどうなの? と思ってしまう。

歴史的事実をベースにした構成だが、あちこちに飛び火していくので、若干混乱したような。作中の、“真実はロシア人形のマトリョーシカ”という表現が一言で言い表している。複雑に入り組んだ展開だが、アプローチが冗長で、ラスト80頁ほどでバタバタ解決していくのがちょっと残念。事件とは無関係の、キャラクター同士の距離感の変化なんかが興味深く読めたので、次回に向けての収穫はこっちかな。

黒幕がくず野郎なので、立腹して読了した形になったが、よくよく考えればひどい話である。イタリアとアメリカの関係はよくわからないが、素人目で見るとアメリカの思惑に巻き込まれた格好のイタリアが気の毒に思える。お互いよかれと思って信念で行動してるんだけど、そのやり方が問題よね。こういうのも「いっちょかみ」って言うのかな。

第二部では完全に利用されただけのカルニヴィア。最終作ではもっと前面に出てくれることを期待します。
6 Comments
Cozy05.05.2015 URL [edit] 

ご無沙汰しております。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?
ぼくは基本は家でのんびりしています。

『カルニヴィア2』を読みました。
なかなか読み進まなかったのですが、100ページほど読んだら、スピードアップして読めました。
社会派色の強い作品だなと思いますが、もともと複数の話が並行して進む物語なので、最後にまとめようとすると、少しゴタゴタするかもしれないですね。

最近、読書のペースが落ちています。
読みたい!という本が少ないのが原因かなと思うので、お薦め教えて!

がる@管理人05.05.2015 URL [edit] 

こちらこそ、ご無沙汰しております。

確かに、社会派で毎回重いテーマを扱って胃もたれする時もありますが、
小説としては面白いからさくさく進みますよね。

ゴールデンウィークは私ものんびり過ごしています。
読みたい本がなく時間が出来たので、USAドラマをひたすら消化しています。

この分じゃますます読書ペースが落ちそうだ。
でも最近、読書しない時間があってもいいよな~、って思えてきました。
そんな時間を埋めようと気乗りしない作品を読んで潰すよりは、
いっそ読まない方が精神衛生上好ましいのじゃないかと(笑

ちなみに今は『悪意の波紋』を読んでます。
前から興味があったのと、書評七福神で高評価だったので秘かに期待しています。

『翻訳シンジケート』の各社の隠し玉公開がそろそろですよね。
そのラインナップを確認してからやる気を出します!

Cozy05.05.2015 URL [edit] 

ホント悩みますよね。
こういった話題作のない時期って。
ぼくも読みたい本がない時期に無理に探して外れを引くべきか、とっても悩みます。

『悪意の波紋』手元にあります。
まずはがるさんの感想待ちにしようかな。

隠し玉そうですね。
気になりますね。

がる@管理人05.05.2015 URL [edit] 

『悪意の波紋』、1/3ほど進みましたが、今のところ大して面白くないです(笑
これから面白くなってくるのかな。
先の読めない展開ってのがどっちに転ぶか?

今週中には読了したいです。

Cozy05.06.2015 URL [edit] 

そうなんですか?
不安ですね。
最近はネタとかより、作品全体の雰囲気の方が評価につながるので、少し不安ですね。
急に面白くなる話って、あんまりないしなぁ。

がる@管理人05.08.2015 URL [edit] 

↑の後から面白くなってきました。

一気読みして残り20ページです。
そのまま読み終えてもよかったのですが、なんとなく小休止してます。

どこに着地するのかなー。

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Karmaなミステリ読書ブログ05.05.2015

「チューリングは、現実の世界を数式であらわすのはむずかしいことに気づいたんだ。述語論理も、ブーリアン型もユークリッド幾何学も役に立たないことに」そこで一瞬間をおいた。「普通の言葉で言えば、現実の世界はじつに混沌としているということだ」 『カルヴィニア2 誘拐』(ジョナサン・ホルト) pp.343-344 イタリア駐留米軍基地の建設現場で発見された人骨は、第二次世界大戦中に謎の...

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