『ピルグリム』/テリー・ヘイズ

01 19, 2015
〔1〕 名前のない男たち
〔2〕ダーク・ウィンター
〔3〕 遠くの敵
テリー・ヘイズ
早川書房 2014-08-22
自己評価:

アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。この機関に採用された私は、過去を消し、偽りの身分で活動してきた。あの9月11日までは……引退していた男を闇の世界へと引き戻したのは〈サラセン〉と呼ばれるたった一人のテロリストだった。彼が単独で立案したテロ計画が動きはじめた時、アメリカは名前のない男にすべてを託す。巨大スケールと比類なきスピード感で放つ、超大作サスペンス開幕。
  • 第四位『このミステリーがすごい!』(2015)
  • 第七位『週刊文春ミステリーベスト10』(2014)
面白かった。でも長かった。

孤高のエージェントと、復讐に生きるテロリストとの緊迫した鬼ごっこ。テンポよく小気味よくさくさく進むので、長いながらも飽きることはない。テロ計画が明白になった中盤からはスパイ小説全開モードで、ベタながら一気に展開する。この辺りが一番楽しかったかも。

脚本家でキャリアを積んだ作者らしく、インパクトの強い台詞が多く、またキャラ造形も抜群に巧い。ピルグリムとサラセンの過去を対比させつつ人生を掘り下げるシーンは読み応えがあるが、遠回りになっているので、小説としての構成はほぼ破綻している。要所要所で主人公がヒーロー化する”ザ・ハリウッド”的展開も鼻にはつくが、必要枠なんだと咀嚼してしまえば何てことはない。年をとると無味乾燥な作品は喉が渇いて息苦しいのだ。

残念に思ったのは、冒頭の殺人事件がスマートに絡んでないこと。この事件だけで長編が書けそうなので、並行して二本のストーリーが展開してる気になった。殺人事件での”出逢い”は続編に繋がっていきそうな。

予定では全三部作だとか。じゃあトータルで何冊になるの?というおぞましい計算は無視するとして、ピルグリムの次のミッションを楽しみにしよう。
2 Comments
Cozy01.23.2015 URL [edit] 

お、高評価。

ベン・ブラッドベリーの9.11の活躍とか、ホント、ハリウッド的展開でしたよね。

3部作なんですか。
知らなかったなぁ。
たぶん、読みます。

がる@管理人01.26.2015 URL [edit] 

9.11もそうですし、夫妻でピルグリムを追いかけたくだりも「はぁ?!」でした(笑
こういう長いお話の場合は、結果よりも経過の面白さで評価しちゃいますね。

あと二作品分ネタがあるのかしら?って思わないこともないです。。

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Karmaなミステリ読書ブログ01.23.2015

「すぐに<死のささやき>に連絡するんだ。一言だけ言えばいい。『首がつながった』と」 『ピルグリム(下)』(テリー・ヘイズ) pp.231 アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。この機関に採用された私は、過去を消し、偽りの身分で活動してきた。あの9月11日までは…引退していた男を闇の世界へと引き戻したのは“サラセン”と呼ばれるたった一人のテロリストだっ...

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