本格ミステリ・ベスト10(2016年度)

12 19, 2015
2016本格ミステリ・ベスト10
探偵小説研究会
原書房 2015-12-04

国内最大規模のベストミステリ・ランキングのほか、書店員ここだけのオススメアンケート、インタビューは『片桐大三郎とXYZの悲劇』の倉知淳、『虹の歯ブラシ』の早坂吝の2本立て。毎年恒例の「ミステリ作家の予定と近況」も充実。

海外編、国内編別にTOP10をご紹介。
【海外編:OVERSEAS】
1.そして医師も死す D.M.ディヴァイン
診療所の共同経営者を襲った不慮の死は、実は計画殺人ではないか──市長からそう言われた医師ターナーは事故の状況を回想する。その夜、故人の妻から、何者かに命を狙われていると打ち明けられたこともあり、ターナーは事件を洗い直そうと試みる。英国本格黄金期の妙味を現代に甦らせたディヴァイン初期の意欲作。

2.あなたは誰? ヘレン・マクロイ
「ウィロウ・スプリングには行くな」──匿名の電話の警告を無視して、フリーダは婚約者の実家へ向かったが、到着早々事件が起きる。不穏な空気の中、上院議員邸で開かれたパーティーでついに殺人事件が…。精神科医ウィリング博士は、一連の事件にはポルターガイストの行動の特徴が見られると指摘する。

3.薔薇の輪 クリスチアナ・ブランド
ロンドンの女優エステラ。その絶大な人気は、体が不自由でウェールズに住んでいるという娘との交流を綴った新聞の連載エッセイに支えられていた。エステラの未来は順風満帆に思われた。服役中の危険人物の夫が、病気のため特赦で出所し、死ぬまえに娘に会いたいと言い出すまでは…。本邦初訳の傑作ミステリ。

4.髑髏の檻 ジャック・カーリイ
刑事カーソンが休暇で赴いたケンタッキーの山中で連続殺人が起こる。犯人はネット上の宝探しサイトで犯行を告知し、死体はどれも奇怪な装飾を施されていた。捜査に巻き込まれたカーソンの前に現れたのは、実の兄にして逃走中の連続殺人鬼ジェレミー。驚愕の展開を誇る鬼才の人気のシリーズ第6弾。

5.リモート・コントロール ハリー・カーマイクル
新聞記者クィンの酒場の友人が深夜の散歩者を轢き即死させてしまう。友人は、酒酔い運転で告発され服役するが、半年後、友人の妻は謎のガス中毒死を遂げる。果たして、事故なのか、自殺か、他殺か。男女関係という“千古不易の謎”にクイン&パイパーの名コンビが迫る。新時代の巨匠、満を持しての日本初紹介。

6.犬はまだ吠えている パトリック・クェンティン
その日のキツネ狩りの「獲物」は頭部のない若い女の死体だった。悲劇は連鎖する。狩猟用の愛馬が殺され、何かを知ってしまったらしい女性も命を奪われてしまう。陰惨な事件の解決のために乗りだしたドクター・ウェストレイク。小さな町の複雑な男女関係と資産問題が真相を遠ざけてしまうのだが…。シリーズ第1作。

7.悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル
「こんなのは見たことがない」という部下の言葉にヴェルーヴェン警部が現場に駆けつけてみると、そこには凄惨な手口で殺されたふたりの女性の死体があった。やがて第二の事件が発生。事件は異様な見立て殺人だと判明するが、犯人の魔の手は思わぬ人物へと向けられつつあった。掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。

8.曲がり角の死体 E・C・R・ロラック
大雨の夜に起きた自動車の衝突事故。大破した車の運転席からは、著名な実業家が死体となって発見される。しかし検死の結果、被害者は事故の数時間前に一酸化炭素中毒よって死亡していたことが判明。事故直前には、現場と別の場所を走る被害者の車の目撃証言も。謎解きの醍醐味を味わえる英国探偵小説黄金期の快作。

9.水の葬送 アン・クリーヴス
シェトランド諸島の地方検察官ローナは、小船にのせられていた死体の発見者となる。被害者は若い新聞記者だった。本土の女性警部がサンディ刑事らと進める捜査に、休暇中のペレス警部も参加し、人間関係と産業問題が絡む難事件に挑む。“シェトランド四重奏”を経て著者が到達した、現代英国ミステリの新たな高み。

10.チェスプレイヤーの密室 エラリー・クイーン
教師アンを3年ぶりに訪ねてきた母親は、別れた父親の遺産の話をして帰った。その2ケ月後、父親が自殺したと連絡を受ける。アンは遺産を相続することになったが、そもそも父親は自殺するような人間ではない。アンは真相をつかむべく行動に出たのだが、さまざまな「障害」が彼女とその遺産の前にたちふさがっていた。


【国内編:JAPAN】
1.ミステリー・アリーナ 深水 黎一郎
全編伏線ともいえる「閉ざされた館の不可解な連続殺人」の真相を見抜く。早い者勝ち、「真相」が分かればいつでも解答可能の争奪戦。もちろん「あなた」も参加OK。強豪たちがつぎつぎ退場していくなか、その裏で、何かが始まっていた…ベストセラー『最後のトリック』の著者があなたに挑む多重解決の極北。

2.片桐大三郎とXYZの悲劇 倉知 淳
聴覚を失ったことをきっかけに引退した時代劇の大スター、片桐大三郎。古希を過ぎても聴力以外は元気極まりない大三郎は、その知名度を利用して、探偵趣味に邁進する。あとに続くのは彼の「耳」を務める野々瀬乃枝。今日も文句を言いつつ、スターじいさんのあとを追う。 最高に楽しくてボリューム満点のシリーズ連作。

3.王とサーカス 米澤 穂信
2001年、太刀洗万智は仕事の依頼を受けネパールに向かったが、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり。疑問と苦悩の果てに、太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは?

4.オルゴーリェンヌ 北山 猛邦
書物が駆逐される世界。旅を続ける少年クリス、検閲官に追われるユユ、少年検閲官エノの三人は、オルゴールを作り続ける海墟の洋館に向かったが、そこで彼らを待っていたのは職人たちを標的にした連続不可能殺人だった。三人は犯人を突き止めるべく、トリックの解明に挑む。“少年検閲官”シリーズ最新作。

5.その可能性はすでに考えた 井上 真偽
カルト宗教団体が集団自殺を行った十数年後、生き残りの少女は事件の謎を解くために、探偵・上笠丞のもとを訪れる。彼女の記憶とは、少年が斬首されながらも、彼女を助けたというものだった。探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、すべてのトリックが不成立であることを立証する。

6.赤い博物館  大山 誠一郎
企みを、看破せよ―!キャリアながら“警視庁付属犯罪資料館”の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長。図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった二人が挑む、難事件。予測不能の神業トリックが冴え渡る、著者初の本格警察小説。

7.鍵の掛かった男 有栖川 有栖
大阪の“銀星ホテル”で梨田稔が死んだ。警察は自殺と断定。しかし女流作家・影浦浪子は納得できず、その死の謎の解明をミステリ作家の有栖川有栖とその友人の犯罪社会学者・火村英生に依頼。が、調査は難航。梨田は身寄りがない上、人物像は闇の中で、その人生は「鍵の掛かった」としか言いようがなかった。

8.東京結合人間 白井 智之
男と女が互いの身体を結合させ、結合人間となって特殊な生殖を行う世界。この結合の過程でときおり、一切嘘がつけない結合人間=オネストマンが生まれる。“オネストマン"だけが集う孤島で、殺人事件が起こる。容疑者たちは“嘘をつけない"はずだが、全員が犯行を否定。事件に巻き込まれた圷は殺人犯を追うが――。

9.死と砂時計 鳥飼 否宇
世界各国から集められた死刑囚を収容する、ジャリーミスタン終末監獄。親殺しの罪で収監されたアランは明晰な頭脳を持つシュルツと出会い、彼の助手となって監獄内の事件の捜査に携わる。死刑囚の青年と老人が遭遇する、摩訶不思議な事件の数々。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する、著者渾身の本格ミステリ。

10.星読島に星は流れた 久住 四季
ローウェル博士が開く天体観測の集いへの応募が高倍率になるのには、ある理由があった。孤島に上陸した招待客たちのあいだに静かな緊張が走るなか、滞在三日目、ひとりが死体となって海に浮かぶ。犯人は、この6人のなかにいる―。奇蹟の島で起きた殺人事件を、俊英が満を持して描く快作長編推理。
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