『血の極点』/ジェイムズ・トンプソン

03 03, 2016
血の極点
ジェイムズ・トンプソン
集英社 2016-01-20
自己評価:

行方不明になったエストニア人の少女の捜索を引き受けたカリ・ヴァーラ警部。だがそれは闇社会への入り口だった……。黒幕は一体?? フィンランド警察シリーズ、作者急逝による最終巻。
シリーズ第4作。作者急逝により結果的に本作が完結となってしまった。

心身ともにボロボロのカリ。仲間たちもヨレヨレでケイトとの仲はピリピリ。救いようのないオープニングだが、失踪事件の依頼を受けた瞬間から徐々に歯車が動き出す。体は傷ついていても、警官のプライドは失っていない。そしてその根底にあるのは家族への想い。葛藤の中で、正義の行使のためかろうじて立っているカリには胸を打たれる。

とは言っても、そのやり方は前作同様ノワール。「これ以上誰も傷つけたくない」と言いながらも、敵は放っておいてくれない。リーダーをフォローするミロとスイートネスもいろんな意味で成長し、チームとしてのまとまりは抜群。ご都合主義はあるものの、若干エンタメちっくな展開は嫌いではなかった。緊迫していてドラマ性に富んでて意外と面白く読めた。

前作は無謀な方向転換に思えたが、読み終わると警察小説なんだなと実感。一周廻ってここに着地したか。カリの想いはよくわかる。それが正常です、たとえ警官でも。シリーズ完結だと言われれば納得するし、新たなシリーズの幕開けにも思える感慨深いラストでした。
2 Comments
Cozy03.13.2016 URL [edit] 

ふと気が付いたら、本を読まずに、2ヶ月近くが経過していました!!
とりあえず、読書欲を戻すためにアマゾンチェックしてたら、この話がでてました。
ポチっとしたので、読みます。

ほかにも色々あるけどね(笑)

がる@管理人03.13.2016 URL [edit] 

あら、2カ月とは。。
読書欲、是非取り戻してください!(笑

前作のアレを受けての完結なので賛否あるかと思いますが、
私はいい感じで読了しましたよ。

今読んでるリンカーン弁護士シリーズが終わったら私もブランク空くかも。
読みたい本がないんですよねー。
4月後半に『犬の力』の続編が出るそうですが。

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1 Trackbacks
Karmaなミステリ読書ブログ08.20.2016

「いいだろう」俺は言った。「教えてくれ」 「一日で全員殺します」 あまりにもミロらしい考えだったので、思わず笑ってしまいそうになった。 『血の極点』(ジェイムズ・トンプソン) pp.226 フィンランド警察特殊部隊を率いるカリ・ヴァーラ警部の家の窓に、脅迫文つきの煉瓦が投げ込まれた。誰かが命を狙っているのだ。そんな折、エストニア人の女性から、売春組織にさらわれた娘の捜索を...

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