『許されようとは思いません』/芦沢 央

12 25, 2016
許されようとは思いません
芦沢 央
新潮社 2016-06-22
自己評価:

かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を殺さねばならなかったのか…究極の選択を迫られた女たちの悲劇を、端正な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す、ミステリ短篇集の新たなるマスターピース全5篇。
  • 第五位『このミステリーがすごい!』(2017)
  • 第七位『ミステリが読みたい!』(2017)
  • 第七位『週刊文春ミステリーベスト10』(2016)
「暗黒ミステリ」と紹介してあったので、作品の雰囲気とか心理描写に長けた短編集だと期待して読んでみたら、イヤミスどころかバカミスの出来損ないだった。

テーマや着眼点は面白いと思うが、そこを過剰に主張してくるのでご都合主義ばかりが目立つ。キャラクター心理を操って独特の雰囲気を醸し出そうとしているものの、奥行きがなくペラペラなのでやればやるほど滑稽に映る。ほとんどが一人称で書かれてあり、ラストへ向かって語り手の心理は不自然に歪んでいくが、このプロセスがバカミスそのもの。思い込みの激しい人物たちによるドタバタ劇。心の闇は読者を煽ろうとしているだけだし、動機は不自然で説得力なし。ストーリーがなくただの日記になっている話が多いのも興醒めした点のひとつ。

久々に読んだ国内作家の新人さんだが、喪失感しか残らない。この作家の出来だけで評価するのはフェアではないが、それでもこういう作品を読むと新人は敬遠してしまうのよね。
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