『狩人の悪夢』/有栖川 有栖

03 04, 2017
狩人の悪夢
有栖川 有栖
KADOKAWA 2017-01-28
自己評価:

人気ホラー作家・白布施に誘われ、ミステリ作家の有栖川有栖は、彼の家「夢守荘」を訪問することに。そこには、「眠ると必ず悪夢を見る部屋」があるという。しかしアリスがその部屋に泊まった翌日、白布施のアシスタントが住んでいた「獏ハウス」と呼ばれる家で、右手首のない女性の死体が発見される。臨床犯罪学者・火村と、相棒のミステリ作家・アリスが、悪夢のような事件の謎を解き明かす。
火村シリーズ長編。「悪夢」をモチーフとした雰囲気でスタートしたので凝ってるのかと期待したけど、いつものストレートな本格でした。今やこのレベルの本格は絶滅危惧種。

犯人を絞り込むのは難しくはないが、そこに至るまでの推理のプロセスがこのシリーズの醍醐味。アリスと火村の考察シーンは随所に織り込まれており、角度と方向性を変えての論理の応酬は読み応えがある。事件の手掛かりは多いようで逆に混乱していく。そこから解決へのファクターを拾いだす火村の洞察力と観察眼が大きな見せどころ。

論理的な展開には満足したが、推理とはあまり関係のないキャラ造形の部分で寒気を催してしまった。アリスと火村のやり取りがとにかく気持ち悪い。気の利いた言い回しの掛け合いが持ち味なのだろうが、逆に狙っているように感じて辟易した。以前はこんな風に毛嫌いしなかったのだが、歳とって偏屈になったのか。その他のキャラも同様で、日常的でない状況説明のための会話シーンは実に苦痛だった。大半がこのシーンなのだが。

それと一番違和感に感じたのが、「犯人に命中して狩りは成功した」と語るシーン。犯罪を憎むのならわかるが、犯人を獲物に見たてて狩りをするという不躾なスタンスに作者の良識を疑ってしまった。タイトルの持つ意味を作中に込めたのだろうが、やり過ぎでは? このシリーズは短編で読むべきだと再認識したお話でした。
4 Comments
Cozy03.19.2017 URL [edit] 

有栖川有栖と無関係ですが、4月1日から職場変わるので、本を読む量が増えるかもしれません!!!
月収100万円超とはお別れですが。。。

がる@管理人03.20.2017 URL [edit] 

おー、異動ですか。こりゃめでたい!
どんどん本読みましょうよ♪
いやいや、月収100万円超よりも大事なのは健康と読書時間ですよー。

うちの職場もサブロク協定の説明会があったり、残業の事前申請とかノー残業デーとか、労働時間についてなにやらザワザワやってます。。。

Cozy03.20.2017 URL [edit] 

これから読みますよ!
といっても、戻り先も比較的忙しい職場なのですが、さすがに今の80~100時間/月の残業時間からは解放されそうです。

ノー残業デー(定時退社の日)とか、プレミアムフライデーもやってます。
が、飲みに行くだけですが(笑)

がる@管理人03.23.2017 URL [edit] 

労働時間短縮しても、個々の仕事量にバラつきあるから結局一緒じゃん、って思います。
忙しい人はいつまでも忙しいし、暇な人はオールウェイズ暇です(笑
上に何回進言しても一向に仕事量の見直ししてくれない。
マジ腹立つ職場! ──と、単なる愚痴でしたー

よし! 本読むぞ!

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