『氷結』/ベルナール・ミニエ

03 25, 2017
氷結 上
氷結 下
ベルナール・ミニエ
ハーパーコリンズ・ ジャパン 2016-11-25
自己評価:

標高2千メートルの水力発電所で、皮を剥がれ吊るされた馬の首なし死体が見つかった。持ち主は政財界に通じる大富豪。 上層部から馬殺し解決の特命を受けた警部セルヴァズは、 美貌の女性憲兵隊大尉ジーグラーを相棒に捜査を始めるが、 現場からある猟奇殺人鬼のDNAが採取され、事件は不気味な様相を呈すことに―― 。

フランス南部、スペインとの国境近くのピレネー山麓の町を舞台にした警察小説。タイトル通りの、全体を覆う重苦しい空気と凍てつくような世界観がストーリーを支える。

猟奇殺人タッチのオープニングだが、丁寧に描きすぎているのか上巻はスローペースで冗長気味。警察と憲兵隊の役割や位置付けもよくわからないので退屈しかかっていたが、下巻から一気に視界がクリアになった感じ。

主人公のセルヴァズ警部は地味ながらも有能で、そのせいか困難な状況に振り回されるけれども、着実に事件の核心に迫って行くタフなキャラクター。嫌味がなくてフツーで、何より作中の雰囲気にマッチしているので、それが安定した読書に繋がったのかも。

事件の背後に隠されたおぞましさを踏み台にして、クライマックスからラストへと劇的な展開が続く。警察小説としてもサスペンスとしても完成度が高いお話だけど、やっぱり上巻のスローペースが尾を引いたかな、結果的には可もなく不可もない評価になりました。続編はちょっと楽しみではあるけど。
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