『悪魔の星』/ジョー・ネスボ

04 15, 2017
悪魔の星 上
悪魔の星 下
ジョー・ネスボ
集英社 2017-02-17
自己評価:

3年前の同僚刑事が殺された事件を追い続けるハリーだが、証拠を得られず生き詰まり、酒におぼれて免職の通達が。そんな中、オスロを震撼させる猟奇的事件が起こり、ハリーも捜査に加わる。被害者はいずれかの指を切断され、遺留品に赤い五芒星形のダイヤモンドが…。犯人像に苦悩するハリー。北欧ミステリーを牽引する作家の傑作。

作者が「オスロ三部作」と名付けた作品群の完結編。同僚の殉職事件と猟奇殺人──ハリーを苛む二つの事件は一つの大きなうねりとなり、やがて息もつかせぬ波乱の展開を見せる。

序盤はハリーのぐだぐだ感がとことん描かれる。ついに部長からも見放され解雇通告を受けるが、受理されるまでは在職だと主張して事件を担当するハリーの刑事魂がやるせない。

警察ミステリとして実に周到な構成を持った作品で、小道具を使った禍々しさの演出、至る所に仕掛けられたミスリードの数々、さりげない伏線の配置がそれぞれうまく決まっている。特に、ミステリではありがちな“切断された指”に前代未聞の背景があることを経て、犯人へと繋がっていく本格ミステリな流れは読み応え抜群。

猟奇殺人と並行しながらハリーを翻弄してきた殉職事件は、黒幕との正面対決で一気に緊張の度合いを増す。終盤はノワールです。肝心な第一作目が未読なので、ハリーの思いに寄り添えなかったのが残念。いい敵役だしいい着地。でも脂肪分高めでちょい胸焼けしたかな。
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