『灰色の密命』/ロバート・ゴダード

06 08, 2017
灰色の密命(上) 1919年三部作 2
灰色の密命(下) 1919年三部作 2
ロバート・ゴダード
講談社 2017-03-15
自己評価:

ドイツのスパイ網指揮者レンマーを陥れるべく二重スパイとなったマックスは、ドイツ軍艦から極秘ファイルの回収を命じられる。レンマー打倒の材料となる極秘ファイルの解読を試みるマックスらに立ちはだかる意外な刺客。レンマーのスパイ網は身内にも張り巡らされていた。一方、日本代表団の新たな代表となった戸村伯爵とその息子が、マックスらの行く手を阻む。ゴダードが紡ぐ壮大なスケールの国際諜報戦、いよいよ佳境へ。

ゴダードのスパイ小説にも慣れてきた。慣れてくるとこれはこれで心地いい。キレキレの展開ではなく、いい意味での「ゆるさ」のせいか、ページを繰る手ももどかしくほぼ一気読み。

第一部で提示された謎のキーワードが明らかになる第二部では、マックスとその仲間たちがともに多難を乗り越えながら結束を強めていく様子が描かれており、キャラクターひとりひとりに一層共感できる内容となっている。敵味方の構図も明確で、“ラスボス“レンマーの前に立ちふさがるであろう戸村伯爵親子がとにかく不気味。この時代の悪徳政治家ってこんな感じなのかな、凄みの持たせ方が巧いなーと思ってしまった。

小さな謎が集約していく先は「ファンゴールド」。サー・ヘンリーとファンゴールドの複雑な結びつきを、ひねりと驚きに富んだ展開の中でじわじわ明かしていく手並みは、ゴダードならではの鮮やかさ。それぞれの想い、使命を秘めたまま、いよいよ次作は日本で全員集合の最終章。予想の上をいく真相に期待しています。
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