『宿命の地』/ロバート・ゴダード

07 17, 2017
宿命の地(上) 1919年三部作 3 (講談社文庫)
宿命の地(下) 1919年三部作 3 (講談社文庫)
ロバート・ゴダード
講談社 2017-05-16
自己評価:

1919年春、第一次大戦後のパリではじまった愛と憎しみの国際諜報戦は、スコットランド、ロンドン、マルセイユを経て、夏の日本へ。英・米・独・露のスパイに運命を翻弄されたマックスは、東京で亡父の真意を知り、謎に包まれた京都の古城に潜入、囚われ人を救出しようと試みる。三部作、感動の完結篇。
最終章はまさに日本で「全員集合!」

近代化の進みつつある都市部から、その影響が及んでいない地方まで、大正時代の本州各所の風景が情緒豊かに再現されている。こんなドラマチックな物語の締めが日本でいいの? と不安になったけど、前二作よりストーリー展開が単調になっているわけではない。スイスのレマン湖周辺がもうひとつの舞台に設定され、ここでも大胆な作戦行動が繰り広げられる。

言葉の通じない異国で敵に気付かれぬよう行動を制限されるマックスたち。裏切りや謀略といったスパイ色が強かった前二作に比べて、本作品は「脱出」が大きなテーマ。持ち駒も協力者も少ない中で窮地に陥るという目の離せない展開を経て、ストーリーは波乱のクライマックスに突入する。

終盤近くに挿入されたあるシーンが印象的。この壮大な物語を振り返って、親子の絆や受け継がれる気質、時代の流れが導いた運命的な出会いに感慨を覚えて、あー、やっぱりゴダード作品なんだなと痛感させられたのが嬉しかった。
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