『湖の男』/アーナルデュル・インドリダソン

10 09, 2017
湖の男
アーナルデュル・インドリダソン
東京創元社 2017-09-21
自己評価:

干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴があき、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュルらは、丹念な調査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。農機具のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶ったのだ。男は偽名を使っていた。男は何者で、何故消されたのか? 過去に遡るエーレンデュルの捜査が浮かびあがらせたのは、時代に翻弄された哀しい人々の真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。
  • 第六位『ミステリが読みたい!』(2018)
  • 第七位『週刊文春ミステリーベスト10』(2017)
シリーズ4作目。黒い箱と共に沈められた骸骨の身元調査と並行して、ひとりの男の追憶の記憶が描かれる。

エーレンデュルの捜査よりこちらの物語の方がメインかもしれない。共産主義国における発言や行動の抑圧された状況という背景は重い。その状況下で苦悩する若者たちのストーリーは読み応えがあるが、重さゆえか、いつもよりページ数が増えたように感じ、さくさく読めなかったのが残念だった。

男の追憶とエーレンデュルの捜査が徐々にリンクしていく辺りは面白かったけど、長さのせいか、無駄なシーンに目がいってしまい、前三作ほど集中して読めなかった。今回重要なのは、犯人ではなく被害者。誰が殺されたのか? が最大の謎となる。決着するところとそうでないところがあり、ふわふわした読後感だった。できれば毎年翻訳してほしいなー。じゃないとぐだぐだなエーレンデュルの私生活についていけなくなりそうだわ。
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