『監禁面接』/ピエール・ルメートル

09 14, 2018
監禁面接
ピエール・ルメートル
文藝春秋 2018-08-30
自己評価:

失業4年目、57歳のアランは一流企業の最終試験に残るが、その内容は異様なものだった。就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよというのだ。他の就職希望者とともに、アランは重役室を襲撃する。だが、ここまでで物語はまだ3分の1。知的たくらみとブラックな世界観で贈るノンストップ再就職サスペンス。
  • 第五位『週刊文春ミステリーベスト10』(2018)
  • 第八位『このミステリーがすごい!』(2019)
ノンシリーズ長編。原題は『黒い管理職』。面接の中身がバカミスでどうなることかと危惧したが、そこはさすがのルメートル、特異な設定を踏み台にしてとことん“らしさ”を発揮する。

襲撃事件を真ん中において、「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部でストーリーを構成し、その切り替えごとに局面を変化させ、中盤で転調したあとは一気にゲーム性が高まっていく。

人生のどんづまりに直面する主人公が一発逆転の大勝負をかけるのだが、この主人公をはじめとして、それぞれのキャラが個性的。でもってそのほとんどが普通じゃない。徐々にのっぴきならない状況になるストーリーと合わせて、共感できないキャラをどう咀嚼するかが評価の分かれどころになりそう。

運命の残酷という背景はそのままに、今回は残忍な殺人が登場しない代わりに、社会的犠牲者の目線から、そのブラックな世界観をやや暴走気味に描いている。ルメートル流のクレイジーな風刺画とで言うのかな。やや物足りないけど、これはこれで面白い。

次作はノンシリーズのノワールだとか。キングが賛辞を贈っているのにはビックリだわ。
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