『火刑法廷』/ジョン・ディクスン・カー

11 20, 2005
4150703515火刑法廷
ジョン・ディクスン・カー
早川書房 1976-05
自己評価

編集者のエドワードは、社のドル箱作家の書き下ろし原稿を見て愕然とした。添付されている十七世紀の毒殺犯の写真は、まごうかたなく妻マリーのものだった。しかもその夜、隣人の妻にかかる毒殺容疑の噂の真相を追い、墓を暴きに出かけた彼は、妻の予言どおり、棺から死体が消失しているのを発見した……婦人毒殺魔が流行のように輩出した十七世紀と現代が妖しく交錯し、カー独特の世界を創出した第一級の怪奇ミステリ。
海外古典にありがちなある種の不安は、最初の数ページで解消された。その後もストーリーはどんどん広がっていったが、文章は大変読みやすく好感がもてた。トリックは、出来不出来に関係なく納得のいくものだった。本格の王道とも言える作品なので、伏線のはり方や作者の仕掛けた罠など、その点では本格ミステリを堪能するに余りある。しかしどういうわけだか、時間が経つにつれて虚脱感だけが増してくるのである。ラストに起因してるのだろうが、自分でもよくわからない。ここまでカーが予想していたのなら、それこそ怪奇だとしか言いようがない。
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