『沈黙のパレード』/東野 圭吾

11 14, 2018
沈黙のパレード
東野 圭吾
文藝春秋 2018-10-11
自己評価:

突然行方不明になった町の人気娘が、数年後に遺体となって発見された。容疑者は、かつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。さらにその男が堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を憎悪と義憤の空気が覆う。秋祭りのパレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたのか。超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める。
  • 第四位『このミステリーがすごい!』(2019)
  • 第十位『本格ミステリ・ベスト10』(2019)
久々の東野圭吾は、ガリレオシリーズ六年ぶりの単行本となる第九作。感情移入しやすい人間ドラマを骨格に、薄味の理系ミステリに社会派スパイスも利かせ、キレイにまとまるラストまで飽きさせない展開は、正に映像化にうってつけ。

今回湯川が挑むのはハウダニットの謎。わかりやすい事件の構図だが、関係者は全員沈黙する。局面が二転三転する終盤は読みごたえがあるが、その先にある真相にあまり驚きがないのが残念。登場人物が多いからか、長編なのにじっくりことこと煮込んだドラマではなく、すべての要素が薄味なので予想以上に肩透かし。

タイトルに帰結させる着地は相変わらず巧いなーと思う。けど帰結へのプロセスが若干くどいかも。タイトルありきのストーリーのように深読みするのは私の悪い癖ではあるのだが。緻密なハウダニットで勝負してるのにそう思えないのは、湯川と共に丸く収まっている展開のせいかな。良くも悪くも万人受けするシリーズになったってことよねー。
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