『ネヴァー・ゲーム』/ジェフリー・ディーヴァー
10 20, 2020
ネヴァー・ゲーム ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 2020-9-25 自己評価: ![]() |
シリコンバレーで失踪した娘を探せ。懸賞金のかかった事件に挑む人探しの名人にして流浪の名探偵ショウは狡猾な連続誘拐事件を追う。怜悧な頭脳とサバイバル術で完全犯罪を暴く新ヒーローの誕生。
ライムやダンスと違うのは、ショウが民間人だということ。捜査権を持たないので、聞き込みなどの初歩的な調査では人間力が試される。そうやって得た人と人との繋がりから、手掛かりを紐解く展開が面白く、謎解きとドラマの比重がほぼ同じなのがこのシリーズの特徴なのかな、と思ってみたり。
個性的な犯人を追い込んでいくプロセスや、後半のステキな転調は従来通り。そういう意味では、ライムやダンスシリーズと同じ目線で同じ楽しみ方が出来るのだが、似たり寄ったりという感覚もないこともない。ただ本シリーズの場合、父の死の謎を追うという大きなテーマがあるので、連作シリーズとしての面白さに注目して読んでいけるかも。